ノラ達の最期の言葉

2006年から沖縄で野良猫のTNR活動を行っております。

☆初めての霊体験☆

私が始めて【霊】と遭遇したのは、小学校の低学年のときだった。

当時、実家には1匹の白い犬を飼っていた。

名前は『ころ』。

真っ白な秋田犬。

ころは、小さいころからやんちゃで、両親も祖父母もとても可愛がっていた。私もとても可愛がり、猫も

飼っていたので動物とは自然に共生してきた人間だった。

ころが成犬になって何年か過ぎたころ、突然祖母を噛んでしまった。祖母は、大きくなったころを敵視

し、叩いたりしていたのを覚えてる。なぜ祖母はころを虐待したのかは分からない。。。「犬畜生」と言

いながら叩いているのを見てショックを受けていた私と弟。

ころは、祖母の腕を思い切り噛み大怪我をさせた。。。。。。

そして、私も弟も信じられないような光景を眼にすることになる・・・・・・

ある休日、金属バットを持った祖父と父は、ころの身体を叩き始めた。

なんでこんなことするの?!

私と弟は泣きながら母に訴えた。母は言った。

「ころは狂犬病だよ。」

狂犬病?だから、叩くの?・・・・・殺すの?!

私と弟が思い切り泣きだしたので、祖父と父はころを打つのを止めた。


ころは、その後手の付けられないほどの恐ろしい犬になってしまった・・・・・・・

家の裏にある小さなウサギ小屋を与えられ、近寄れないため食事もロクに与えられず、今考えれば私の

家族は虐待行為を行っていたのだろう。。。と思ってならない。

私も弟も、ただただ、夜通し泣き叫ぶころの悲鳴を聞くしかなかった。。。。。当時はど田舎で動物病院

も他の市に行かないと無かった。わざわざ触ることも出来なくなったころを見殺しにしたの

は・・・・・・・・・事実。。。。。

幼心に、私は生き物を飼うことが恐ろしいことだと、感じてしまっていた。


そして、ある朝、ころは冷たくなっていた・・・・・

前日の夜中に、凄まじいころの叫びを聞いたのは夢ではなかった。。。。。


天使になって、何ヶ月も触れなかったころを、触れた。。。。。。。。。。。。

弟は、泣いていた。とても犬が好きで優しい子だったから・・・・

私も母も泣いた。父も泣いていた。泣くぐらいなら、なんであんな酷いことをしたのか・・・!

ころが叩かれた日から、私は父と祖父が大嫌いになった。憎しみさえ覚えていた。

そして「犬畜生」と言いながらころを叩いていた祖母も大嫌いだった。

冷たくなったころの遺骸を、家の裏にある木の下に埋めた。家の裏には何百年も前からある古いお墓が

並んでいる。その隣りに、ころは埋められた。



あの日から数日経った夕方だった。

私と弟はいつも一緒に下校していたので田んぼ道を二人でいつも通り帰宅していた。

「ねーちゃん、ころがいる!!」

突然弟が言う。道からはころを埋めた場所が見える。

「え?ころが?!」

私も弟の指差す方向を見た。

ころを埋めた土の上に。白いものがボーっと浮き上がっていた。

私たち姉弟は、おそるおそる近づいた。

すると、白いぼーっとしたものは、次第にころの姿に変わっていった。

おすわりをして、こっちを見つめていた。

ふと、思った。ころは私たちを恨んでいる!!だから幽霊になって出てきたんだ!!!

弟も同じ思いなのが、私の後ろに隠れるようにして歩いていた。

ころの幽霊まであと二十メートルくらいまで近づくと、ころは煙のように姿を消してしまった・・・・・

恐怖心でいっぱいの私たちは一目散に家に入り、震えていた。。。。。

その夜、両親にこの体験を話したが、信じてもらえなかった。。。。。


しかし、この現象は一週間ほど連続して続いた。私は、すっかり恐怖心が消え、哀しくなって仕方なく

なっていた。。。。ころの佇む姿に、私と弟は次第に私たち家族の犯した罪の大きさを気づかされたので

あった。。。。。毎日、私たち姉弟の話を聞かされていた家族も、ことの大きさに次第に気づいていった

ようだった。

ころは、恨みをもって私たちの前に現れ続けたのではない・・・・

もしも、また動物を家族として迎えることがあるのなら、こんなことは二度としないでね。。。と、必死

で訴え続けてくれたのではないだろうか・・・?

あれからころのお墓にはいつもお花と水と好きな食べ物を置くようになった。

家族みんなで手を合わせ、ころのたましいの安らぎを祈った。。。。。。

ころ・・・酷いことをしてごめんなさい。。。私たち家族を許してくださいと、祈った。。。。。


それから何年かして、父が犬を貰ってきた。柴犬で名前は「ポチ」とつけた。

ポチが来て、次に秋田県の「タロ」、その子供で「ジロ」が我が家にやってきた。

一気に三匹のワンコが家族となった。

私たち家族は、ころに行った行為を決して忘れずにポチ、タロ、ジロを精一杯愛した。

みんなもう生を全うして天使になってしまったが、ころは天国で両親の気づきに目を細め微笑んでいたと

思う。

猫たちも四匹いたが、みんな天寿を全うしていった。

五年前から飼い始めた甲斐犬の「キャリー」は、今年の八月に癌で天使になった。

すっかり動物たちが我が家から天に還ってしまい、意気消沈していた我が家に先月から仔猫三匹がやって

きた。山形で里親探しをしている方から貰った天使たち。。。。。

今はこの猫たちが我が家の主役となっているようだ。時おり届く母からのメールは、仔猫の話でもちきり

だ。母は、とても動物が好きな人。ころが虐待を受け、家の裏に追い払われるように飼われていたときも

必死でご飯をあげようとしていたのを覚えている。。。。。

父も動物が大好きなのになぜあの時にあんなことをしたのか・・・・私には未だに理解できない。。。

そして聞くことも出来ない。。。。。



天使になり虹の橋のたもとで我が家の家族を見守ってくれているワン・ニャンたち・・・・・

ころもいるよね?許してくれているの?

いて欲しい。



あの不思議な体験は、私たち家族に気づきを与えてくれた。。。。

あなたに出逢えて私たち家族は、少しでも変われたのだから・・・・・・・


もしも父や母や弟や私がそっちに行っても、ちゃんと迎えてくれるかな。。。。。

みんな、みんなあなたに逢いたい。謝りたいと思ってる。

ホントだよ。