ノラ達の最期の言葉

2006年から沖縄で野良猫のTNR活動を行っております。

☆二年前の ある大工の言葉☆

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私がこの街で働き始めたときに、店の改装工事で大工が三人来ていた。

みな年配で、この街でも地位の有る大工と聞いた。

ちょうど野良コが一匹、私の足もとに擦り寄ってきたので私は缶詰のウィンナーを一本あげた。

そこに大工がたまたま現れた。

「ねーさん、まーやぐぁ(猫)好きねぇ?」

大工でも一番年配のおとぅが私に話しかける。

「好きですよ。かわいいですもん。」

私は笑顔で答えた。するとこの大工は

「さっき、屋根の上にぐなまやー(子猫)が生まれていたから、石でうち殺してきたさー!」

私は自分の耳を疑った。石で叩き殺した?子猫を?

一瞬、頭が回らなくなっていた。

「は?」

「まーやはそこらじゅうにフンするから、小さいうちに潰さんとね。」

この人はたった今、子猫を石で叩き殺してきたんだろうか?言いようの無い怒りと哀しみが込み上げて

きた・・・。ウィンナーを食べていた野良は私の足もとにうずくまっている。この野良も殺される

んじゃないだろうか・・・?

「こっちの人は野蛮人か?!」

思わず出た言葉がこうだった。大工は一瞬ひるんだような目をしたが、いやらしい笑を浮かべて去って

行った。

涙が出てきた。こんな商売だから軽く見られて、しかも私の神経を逆撫でさせるような発言。野良コは

私を見上げている。  守りたい・・・守らなくてはならない・・・・!初めて現状を知ったこの日は

一生忘れない。どの子猫が殺されたのかは分からないけど、祈ることしか出来ない当時の自分は子猫の

浄化を切に願っていた。

あれから本格的に「地域猫」活動を始めてきたが、まずは自分の住む地域から始め、苦情を言った方、

役所の人間、自治会と話をして何とか乗り越えてきた。しかし、今回はあんな大工がいる街。厳しい

ものがある。けれど、私はこれからも野良たちを救いたい。人の優しさを知り、愛を互いに無償で

与え合える・・・そんな生き方をさせてあげたい・・・。

画像の野良コは職場の子猫たち。少しだけ慣れてきた。