捕獲まで四ヶ月。
一番初めに苦情が出た野良子を昨日捕獲できた。いつも通り家に帰り、野良たちが集まってきた。
その中に三毛のガリガリに痩せた子もいた。私はふいに捕獲機に「ぐるくん」という魚を置いた。
どの子が入るか分からないが、何度も失敗している上、近所のあちこちに仕掛けられた役所の捕獲
機を見ている野良たちが、まさか入るわけ無いだろう・・・と軽い気持ちで玄関に置いた。
うちの猫たちの食事の準備をしていると、「ガシャン」と捕獲機の扉が落ちた音がした。
びっくりしてみてみると、何と一番保護したかった三毛が入っていた。私は一瞬胸が苦しくなった。
そして次の瞬間、「神様、ありがとう」と呟いた。
暴れる三毛を見るのも心苦しいが、すぐ友人が駆けつけ近くの動物病院へ直行。すぐ手術という話だ。
そして、今さっき一晩入院した三毛を迎えてきた。点滴を受け少し元気になっていたようだ。
檻から放すと後ろも見ないで走り去った。夕方にご飯を食べに来るかどうか少し心配だけど・・・・
ちゃんと来てくれる。だってご飯をあげるのは近所では私だけだよ。誰も上げない・・。
それでいいんだ。私が決まった時間にあげ、掃除していればこの小さな命たちは少しでも生き長らえる
事ができるのだから。
守りたい。借金もしたけど、そんな下賎な問題じゃない。命を守るのにお金が無いと守れない世界。
だから私は働く。身を削って働く。心が削られるときもある。そんなときは、野良やうちの猫たちが
優しく癒し、なぐさめてくれる。
私の残りの人生は、猫たちのモノにちがいない。