ノラ達の最期の言葉

2006年から沖縄で野良猫のTNR活動を行っております。

☆久々の変な夜☆

夜半過ぎ、「ポーン」という音で目が覚めた。

三年ほど前の体験を思い出す。あの夜は、スナック勤めだった私が夜中の三時過ぎにアパートへ着いた

時だった。タクシーを降りてほろ酔いでアパートの階段を昇る。途中の踊り場で、ふいに道路に視線が

いった。人が歩いている。全身が白っぽい。こんな夜中に散歩か・・・?じっと見ていたら、階段の

踊り場に柱があり、一瞬見えなくなる。そして見ていたが、待っていても姿が見えない。おかしいなー

と思った瞬間、私の身体に鳥肌が立った。瞬時に「やばい」という文字が頭に浮んだ。やばいとは頭

で感じるより身体で感じたこと。これは間違いない・・・・と思いヒールを鳴らしながら部屋の前に

着く。鍵を慌てて入れ、とにかく明るくした。部屋中の電気をつけた。もう・・・大丈夫だ。バクバク

した心臓を落ち着けるためタバコに火をつけた。その時

「ポーン」

音がした。広い体育館でたった一人でバスケットボールを付いたような音。音は隣の部屋から聞こえた。

酔いも残っていたことから、思い切って隣の部屋に行く。何も異常は無い。気のせいか・・・と思い

ベッドに座る。その時、また「ポーン」と響いた。私は再び胸がバクバク。こりゃあヤバイか?!

テレビを付けようとした。その時・・・「ふっふっふっ・・・・」明らかに笑い声。私は思わず窓を見

た。人か何か分からないが気配がガンガン伝わる。また「ふっふっふっふっ・・」と声がした。決して

カーテンを開けたりドアを開けたりしてはだめだ!テレビのリモコンを入れた。深夜番組が映る。夜中

なのに、音量を上げる。とにかく気にしなければ良い。眠いが眠ったらヤバイはず。そう感じて一睡も

出来なかった。やがて東の空が白々としてきた。太陽が姿を見せる。一気に安堵感に包まれた。

「太陽・・・ありがとう」思わず呟く。

あれから引っ越しをして久々に夜中に聴こえた音。うちの猫どもはベランダで爆睡していた。気のせいか

と無理やり自分に言い聞かす。そして再び眠りについた。

「ポーン」さすがに二度目に聴こえた時は電気をつけて部屋を確認した。異常は無い。

いったいナンだったんだろう。今回は不思議な「ポーン」でした。