ノラ達の最期の言葉

2006年から沖縄で野良猫のTNR活動を行っております。

ユタの修行所

七年ほど前のこと。


私は夜の仕事をしていてスナックの従業員から「ユタの修行所」なる話を

聞いた。

ユタは、古来から沖縄では霊能者のような存在で、今でも存在する方々。

東北で言えば、「イタコ」のように、死者と交信をして現世と霊界を繋ぐ役目

を持った方々だと思う。。


そのユタの修行所の話に興味を持った私は、当時の彼と共に恩納村にあると

言われる修行所を探しに向かった。


今思えば、本当に愚かな行為。。。。



夕闇が迫る頃、修行所らしき場所へと辿り着いた。

目の前には鳥居があった。

沖縄で鳥居を見かけるのはあまりないので、珍しいと思った。


鳥居をくぐると、底からは延々と続く石段があった。


辺りは深い森。

刻々と近づく夜に木々がざわめいてカサカサと鳴る。。


とりあえず二人は、石段を降りてみることにした。


一段ずつ降りてゆく。狭い石畳。

何か異様な雰囲気で肝試しにはもってこいの場所なんだろうな。。。と感じ

ていた。

三十メートルほど降りただろうか・・

私は急に寒気がして脚が動かなくなってしまった。

彼は、そんな私に気づかずにどんどん降りてゆこうとする。

その時、すごい不安感が私の胸に一杯になって、とにかくここを出なくちゃ

ならない!!

そう感じたので、彼にこれ以上進まないでと呼びかけた。

彼にはまったく霊感も無い。何も感じていないようで、私の呼びかけにヘンな

顔をしたのだけれど、とにかく、一刻も早くここを立ち去らなけりゃならない

思いが・・・・

辺りは真っ暗。

もう日が落ちて木々の形が悪魔の陰のように見え、時おり聞こえる鳥の声に

私の心臓はバクバクしていた。


走った。

走って石段に躓きながらも早く外へ出たかった。

絶対、振り返っちゃダメ。。。

たくさんいる。

後ろから手を伸ばし、たくさんの見えない存在が、二人を追いかけてくる!!

振り返ったら・・・・

終わりだ!!



死に物狂い。


まさにそんな感じで石段を駆け上がる二人・・・・


鳥居が見えてきた。

助かったーーーーーー!!



生きていたーーーー!





もう二度と・・・

行きません。。


ごめんなさい。。


興味本位で聖域に入ってはだめです。。