毒殺事件から幾日も経った。私は正直言って職場に行くのが辛い。
私の元にご飯を食べに来る子は事故で天使になった「シーマ」の最初の娘「チィチィ」とその息子「シロ
チビ」だけとなった。他のシーマの孫猫たちは、別の店のママさんがご飯を上げている。
シーマが事故で亡くなってから、その孫息子「チビ」が事故で天使になり、続いて娘「みゅう」とみゅう
の娘、触れなかったノラ子が次々と毒エサで天使になり、そして「チャコ」も毒の餌食になった。
昨年末から立て続けに私の身近なノラ子たちが六匹天使になり、他にもシーマの息子ケンタやチィチィの
息子も行方が分からなくなっている。隣の店の飼い猫「福」も居なくなっている。
なぜこんなに次々と悲しい出来事が起こるんだろう・・・・・私は職場に行くたび、亡くなったノラ子た
ちの幻さえ見てしまう。見てるのか妄想なのか分からないけど、チャコはよく道路を挟んだ私の正面
に立ち、私をじっと見つめていたから・・・・正面を見るのが辛くなる時が多い。私の目線の先に、
いつもチャコが佇んでいたから・・・・シーマもチビもみゅうも、私の足もとに寝ていたので、余計に
胸が苦しくなる・・・・どうすればこの苦しみは癒えるんだろう・・・
シーマの娘「チィチィ」とその息子「シロチビ」は毎日私の足もとに居る。ただ、不思議なことがある。
それは、チィチィはとても警戒心の強いノラだった。けど母猫シーマが天使になってから急に私に擦り寄
るようになった。そして母子そろって空(くう)を見る。何かを目で追っているように虚空を見ている。
私はその時、何か温かい気持ちになる。それはきっと・・・・シーマやチビ、みゅうやチャコが私の
傍へ来ているんではないかな・・・・と感じることもある。チャコの幻影はよく見る。あの子は一番長い
付き合いだからよけいに見てしまうのかもしれない。それが夢・幻でもいい。あの子がもしも傍に来て
くれているなら私は嬉しい。
画像はシーマの娘「チィチィ」とその息子「シロチビ」
そしてチャコ。
に